解雇通知書の書き方でもう悩まない!直に使える5つのテンプレート


アベノミクスによる景気回復が見込まれている中、実際の私たちの生活は良くなるどころか、悪くなっていく一方ですよね。給料は上がらないのに消費税は増税され家計を圧迫しています。企業においても、恩恵を受け業績が上がっている会社は大企業のほんの一握りで、多くの会社は厳しい経営を強いられているのが実情です。特に中小企業では、営業努力だけでは限界で従業員の解雇等、人員整理を行う場合もあります。

その際に必要になるのが「解雇通知書」です。従業員の人生もかかっているわけですから、問題にならないよう慎重に取り扱わなければなりません。取り扱いを間違えると、違法である場合も出てきてしまいますので注意が必要です。内容によって書き方は異なってきますので、今日は5つのパターン分けて解雇通知書の文面についてお伝えします。ぜひ文面作成にあたっての参考にしてください。ではご覧ください。

 

解雇通知書の書き方でもう悩まない!
直に使える5つのテンプレート

 

天災により事業が不可能になったことによる解雇

従業員を解雇するにあたり、ただ解雇ですと伝えれば済むものではありません。会社毎の就業規則に則った正当な解雇理由に沿って手続きすることが必要です。こちらで紹介する解雇通知書の文面は、解雇理由の内容別になっています。全体の文面フォーマットは全て同じですので、下記を参考にしてください。その中で解雇理由(★★の箇所)についてが、内容により異なりますので事例により置き換えて使用してください。

まずは、会社の都合により解雇する場合において、地震や津波、自然火災等の避けられない天災により事業の継続が不可能になってしまった時の解雇があります。この場合の解雇理由の例としては以下の例が挙げられます。

①平成●年●月●日に発生した地震によって当社の事業継続が不可能になったため

②以前より経営状況は悪化の一途を辿っていたが、この度の火災により事業所が全焼し、再建不能と判断したため

【解雇通知書 共通文面テンプレート】
*************************
平成○年○月○日
○○ ○○ 殿
会社名
代表取締役社長
○○ ○○ 印

解雇通知書

この度、規則第○条の規定に基づき、貴殿を平成○年○月○日付で解雇いたします。

つきましては手続きについて、上記日までに完了するようお願いいたします。

また、労働基準法第20条の規定により、解雇予告手当金をお支払いいたしますので、
印鑑をご持参の上、○課にてお受け取りください。

1.解雇年月日   平成○年○月○日
2.解雇理由    ★★★★★
以上

問い合わせ先 人事部人事課 ○○
(電話 △△)

*************************

 

廃業や事業縮小による解雇

こちらも会社の都合による解雇にあたります。文面の大枠は以下に紹介する全ての例において1.と同様で、「解雇理由」のみ異なるため全体は省略しますので箇所毎に差し替えて使ってください。

①長年にわたる営業不振により、この度○○支店を閉鎖し、関東の営業拠点を統合するため

②近年、業界内における競争が激化し社内でも合理化を推進する一環で、○○部門を縮小し従業員を解雇することになったため

③経営状況が著しく悪化しており、再建のための人員整理の必要が発生したため

 

無断欠勤や勤務態度が非常に悪いことによる解雇

次に解雇理由が従業員に起因する場合についての文面を紹介していきます。無断欠勤や遅刻を繰り返し注意したのに改善されない、仕事の指示を無視して与えた仕事を行わない等、勤務態度に著しく問題があることを理由にする解雇は、その行為が就業規則に違反していることを具体的に指摘しなければなりません。「就業規則第○条 ○○に違反したこと」というような文面にしましょう。

①貴殿は平成●年●月~●月の間、○回の無断欠勤・遅刻があり、これは就業規則第○条に違反する行為として、再三にわたり注意し反省を促してきたが、改善が見込めないと判断したため

②貴殿は出勤状況も悪く、最近では金融機関から取り立ての電話が頻繁にあり、就業規則第○条に該当する行為として、業務にも支障が出かねないと判断したため

 

不正による解雇

業務において会社の企業秘密を外部に漏洩した、会社のパソコンで不正アクセスを繰り返し行った等、会社の利益を損なうまたは損ないかねない不正行為による解雇の解雇理由について例を挙げていきます。

①貴殿が平成●年●月~●月の間、営業活動における顧客リストを故意に外部へ流出させた行為は、就業規則第○条に記載されている「会社の名誉を傷つけ信用を落とした場合」に該当すると判断したため

②社内で再三にわたり注意喚起を行ったが、社用パソコンにおいて不正なアクセスを複数回行っていた事は、就業規則第○条に違反するため

 

職務違反による解雇

入社時の契約において承諾しているにもかかわらずに転属や出向、転勤命令を正当な理由なく拒否することも職務命令を大きく違反するものとして解雇理由の対象となります。その他、繁忙期に一切の残業を拒否したり、休暇をとって旅行に行くなどの行為も行き過ぎると解雇理由として認められる場合があります。

①貴殿は繁忙期においても勤務の意欲なく、一切の残業を拒否する等、当社の社員にふさわしくないと判断しました。よって就業規則第○条に基づき解雇を申し渡します

②貴殿はこの度の転勤命令について、正当な理由なく拒否を続けており、これは就業規則第○条に違反するため

 

いかがでしょう、解雇理由毎に解雇通知書の文面についてお伝えました。従業員を解雇するには正当な解雇理由が必要です。正当な理由がない解雇は違法とされ、相手から訴えられ裁判になったら負ける可能性が高いです。場合によっては行政指導を受けてしまうことにもなりかねません。なお、この解雇通知書は、解雇予定日の30日以上前に相手へ確実に通知する必要があります。直接渡すかまたは郵送する際は配達証明付内容証明を行う等、配慮してください。もらっていないと言われてしまわないよう重要な書類として慎重に扱いましょう。

まとめ

解雇通知書の書き方でもう悩まない!
直に使える5つのテンプレート

1.天災により事業が不可能になったことによる解雇
2.廃業や事業縮小による解雇
3.無断欠勤や勤務態度が非常に悪いことによる解雇
4.不正による解雇
5.職務違反による解雇

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