アベノミクスによる景気回復により雇用情勢は持ち直しつつあると報じられていますが、我々一般消費者にはその恩恵を実感する機会はなかなかありませんよね。雇用も不安定で、昔のように新卒で入社した会社に無事に定年退職まで勤めあげる人は減っている状況にあります。いつ何時、会社が倒産したり解雇を言い渡されるかも分からない時代です。
その様な時に生活を守ってくれるのが、失業保険給付による手当です。もらっていた給料の満額とはいきませんが、ある程度のまとまった金額を一定期間支給できることで一家が路頭に迷わないように救ってくれるありがたいものです。
しかしその制度や仕組みは複雑な上に、普段の生活にはなじみが薄いため、積極的に知ろうとは中々思わないものです。しかしその状況に置かれた時に慌てて誤った対応をとってしまい、後で後悔することのないよう最低限の知識は押さえておきたいところですよね。
会社都合退職のような、退職の内容によって失業保険の給付は条件も給付内容も大分異なってきますので、今日はいざという時の為に、会社都合退職、勤務1年未満でも失業保険がもらえる5つのステップについてお伝えします。ではご覧ください。
会社都合退職、
勤務1年未満でも失業保険がもらえる5つのステップ
会社都合退職とは
そもそも「会社都合退職」とは何なのか。会社の倒産や事業の廃止・統合等のリストラによる、いわゆる「会社の都合」で退職せざるを得ないのが「会社都合退職」です。
それに対して転職や病気、結婚等、本人の意志による退職が「自己都合退職」で、退職の原因によってその後の対応が異なってきます。違いを一言でまとめると「会社都合退職の方が、早く長く失業保険給付を受け取ることが可能」です。
失業保険の給付金が支給される条件として、原則、雇用保険に1年以上加入していなければなりませんが、会社都合による退職の場合は、月に11日以上の労働がある月が6ヶ月以上あれば、直近6ヶ月以上の加入で給付が認められています。勤務1年未満でも失業保険はもらえるのです。それを知らずに諦めてしまい申請期間が終わり給付を受けられなかったなんてことのないよう注意してください。
退職時に必要書類を揃える
何よりも重要なものは「雇用保険被保険者証」です。これがないと給付金が受け取れませんので、見当たらない場合には、勤務先に再発行を依頼し用意してもらいましょう。その上で、勤務先から受け取る「離職証明書」と「雇用保険被保険者資格喪失届」の内容を一読し、不備がないか確認した後で署名捺印をしてください。
また「離職票」に記載されている退職理由や給料の金額も重要ですのでしっかり確認しておきましょう。書類によっては退職後に作成しなければ受け取れないものもあるので、どのように受け取るか決めておきましょう。全てを不備なく揃えるのは意外と大変ですが、申請を滞りなく済ませるためにここは迅速丁寧かつ確実に行ってください。
給付日数を確認する
ちなみに給付の条件となる雇用保険の加入期間は1社に限らず、異なる会社間でも通算して算定されますので間違えないよう注意してください。失業手当がもらえる日数はこの雇用保険の加入年数と年齢によって異なってきますので、あらかじめ自分がどれくらい受け取れるのかを確認しておきましょう。
ちなみに加入年数は1年未満→5年未満→10年未満→20年未満→20年以上という区切りがあります。
また年齢については、30歳未満→35歳未満→45歳未満→60歳未満→65歳未満となっています。条件によって90日間~330日間と大きく異なりますので、調整がつくのであれば少しでも自分に有利になるよう進めていきたいものです。
ハローワークで手続きを開始する
手続きに必要な書類が揃ったら早急に管轄のハローワークへ申請に行きましょう。書類を提出し求職の申し込みを行います。2.退職時に用意した必要書類の他、「写真1枚(上半身)」、「身分証明書(運転免許証等)」、「預金通帳(本人名義のもの)」、「認印」等も必要になります。そして窓口において申請にあたり簡単な面接を行い、問題がなければ「受給資格の決定」がなされます。
決定するとその日から7日間は「待機期間」として過ぎた後、再就職していないことが条件となり給付が開始されます。その後、ハローワークで説明会に出席し、今後についての説明を聞いて「失業認定申請書」と「雇用保険受給資格者証」を受け取ります。
給付の開始
会社都合退職の場合は、ハローワークで給付の手続きを始めてから約5週間ではじめての失業手当をもらえることになります。給付が開始すると一安心ではありますが、決してそれで終わりとはなりません。ただ漫然と給付を受け取っていれば良いわけではなく、あくまでも失業給付金は「働く意欲があるけれど仕事がない(できない)人」のためのものであることを忘れてはいけません。
ですので、再就職に向けて活動する意志があることが受給を継続する上で必要です。ハローワークで指定された第1回失業認定日に出席し必要書類を提出すると、数日後に銀行に振り込まれる形で、その後は4週間毎に手当がもらえます。指定された失業認定日に必ず出席してください。
失業保険の給付を受ける際に押さえておきたいポイントについて、5つのステップに分けてお伝えしました。自分には関係ないと思っている方でも、万が一の時のために最低限の知識は把握しておきたいところです。
特に「会社都合退職」は「自己都合退職」とは異なり、自分で予測することが難しく、突然退職をせまられる状況になり得ますので、なおさら普段からの心構えや準備が必要です。簡単な流れさえ掴んでいれば、急な状況の変化にも慌てずに対応出来ます。そして自分に有利な条件で給付の段取りを進めていくことが出来るのです。
まとめ
会社都合退職、勤務1年未満でも失業保険がもらえる5つのステップ
1.会社都合退職とは
2.退職時に必要書類を揃える
3.給付日数を確認する
4.ハローワークで手続きを開始する
5.給付の開始