「香典返し」とは、通夜や葬儀などで故人に送られた香典に対してお返しをするものです。一般的には、お礼の品だけでなく、感謝の気持ちを表したお礼状を添える事が礼儀です。ですがめったにないことなので、いざ自分がしなければいけないときに戸惑ってしまいがちですよね。
香典返しにも、季節や送る方に応じた色んなルールがありますので、注意しなければなりません。大きなポイントは2つあります。
1つ目は、感謝の気持ち・法要のご報告・お詫びの文例をきちんと入れ込みましょう。見慣れないような言葉がたくさん並びますが、ある程度決まった文章がありますので心配しないでくださいね。
2つ目は、亡くなった方の書き方は、香典返しを送る人によって書き換えるのが礼儀です。面倒くさがらずに、一つ一つ丁寧に調べて書きましょう。
そこで今回は、すぐに!そのまま使える!香典返しの挨拶状の例文をご紹介します。それぞれのポイントに分けて、ご説明しましょう!
そのまま使える!香典返しの挨拶状、見本文例7集
まずはじめに・・・故人のお名前
基本的には、「故 ○○○○儀」や、喪主からみた個人の肩書である「亡祖母 ○○○○儀」など書くのが一般的です。社葬におきましては、故人の生前の肩書である「弊社社長 故◯○○○儀」「弊社 代表取締役社長 故◯○○○儀」といった形で使いましょう。
仏式の場合
では、次は香典返しと一緒にお礼状を渡す場合の文例です。
拝啓
先般 亡父◯○○○儀 葬儀に際しましては
ご多用中にもかかわらずわざわざご会葬を賜り且つ
ご鄭重なる御厚志を賜り有難く厚くお礼申し上げます葬儀の際は取り込み中にて不行届きな点が多々ございましたことに深くお詫びを申し上げます
お蔭をもちまして○月○日に四十九日の法要を滞りなく済ませることができました
つきましては供養のしるしに心ばかりの品をお送りさせていただきます 何卒ご受納賜りたくお願い申し上げます
生前のご厚情に感謝申し上げますとともに今後も変わらぬ ご指導ご厚誼を賜りますようお願い申し上げます
最後に本来であればお礼を申し上げるのが本意ではございますが 略儀ながら書中を持ちましてご挨拶申し上げます
敬具
平成○○年○○月○○日
〒□□□-□□□□□ 住所
喪主 △△△△
親族一同
香典返しの文中には、句読点は使わないようにするのがルールです。
仏式。戒名を入れた文例
拝啓 時下益々御清祥のこととお慶び申し上げます
先般 亡母 ●●●●儀 永眠の際はご鄭重なる御厚志を賜り有難く厚くお礼申し上げます
お蔭をもちまして本日
○○院○○○○居士
四十九日忌法要を相営みました
つきましては供養のしるしに心ばかりの品をお送りいたしますので、何卒ご受納賜りたくお願い申し上げます
早速拝趨の上お礼申し上げるべきところ 略儀ながら書中を持ちまして謹んでご挨拶申し上げます
敬具
平成○○年○○月○○日
〒□□□-□□□□□ 住所
喪主 □□□□
親族一同
神式の場合
神式は、仏式が「永眠」と使うのに対して「帰幽」という表現を使います。
謹啓
先般 亡母 ○○ 帰幽の際はご懇篤なご弔辞を戴きその上
ご鄭重な御供物を賜り誠に有り 難うございました
ご芳情のほど厚く御礼申し上げます
本日命名○○○○○○○○○○
三十日祭に祭し心ばかりの品お送りいたしましたので何卒ご受納下さいますようお願い申し上げます
早速拝趨の上御礼申し上げる処でございますが略儀ながら書中をもって謹んでご挨拶申し上げます
敬具平成○○年○○月○○日
〒□□□-□□□□□ 住所
喪主 □□□□
親族一同
キリスト教式の場合
キリスト教式は、仏式が「永眠」、神式が「帰幽」と使うのに対し、「昇天」という表現を使います。
謹啓
先般 亡父△△昇天の際は ご懇篤なご弔辞を戴きその上
ご鄭重な御供物を賜り誠に有り 難うございました
ご芳情のほど厚く御礼申し上げます
本日諸式滞りなく相済ませました
就きましては心ばかりの品お送りいたしましたので何卒ご受納下さいますようお願い申し上げます
早速拝趨の上御礼申し上げる処でございますが略儀ながら書中をもって謹んでご挨拶申し上げます
敬具平成○○年○○月○○日
〒□□□-□□□□□ 住所
喪主 □□□□
親族一同
天理教式の場合
謹啓
ご尊家ご一同様にはますますご清祥のことと拝察申し上げます。
さて過日 亡母□□儀出直の際にはご多忙の処にも関わらず
ご懇篤なご弔辞を戴きその上ご鄭重な御供物を賜り誠に有り難うございました
つきましては早速拝眉の上御礼申し上げる処でございますが 略儀失礼ながら
書中をもって謹んでご挨拶申し上げます。平成○○年○○月○○日
〒□□□-□□□□□ 住所
喪主 □□□□
親族一同
香典返しを行わない場合
何か特別な理由があって、香典返しを行わないという場合もあると思います。
その時にも、礼儀として挨拶状はきちんと送っておくべきでしょう。
拝啓
先般 亡父◯○○○儀 葬儀に際しましては
ご多用中にもかかわらずわざわざご会葬を賜り且つ
ご鄭重なる御厚志を賜り有難く厚くお礼申し上げます葬儀の際は取り込み中にて不行届きな点が多々ございましたことに深くお詫びを申し上げます
お蔭をもちまして○月○日に四十九日の法要を滞りなく済ませることができました本来ならご厚情に対するお礼の品などを添えるところですが、諸事情をお察し賜り
私どもの失礼をお察し頂ければ幸いです。また、つきましては早速拝眉の上御礼申し上げる処でございますが 略儀失礼ながら
書中をもって謹んでご挨拶申し上げます。平成○○年○○月○○日
〒□□□-□□□□□ 住所
喪主 □□□□
親族一同
上記のように、お礼の品を送っていないことについて謝るという対応もありますが、全く触れずに文章を終えるという方法もあります。どちらも心苦しいとは思いますが、挨拶状はきちんと出すべきだと思います。
最後に、香典返しの挨拶状には、奉書タイプとはがきタイプがあります。デパートやインターネットで注文する場合ですと、宗教や地域ごとに文例が分かれておりどのパターンにするかを選択してから、喪主の名前や住所、日付などを記入します。最近は、ほとんどが活字印刷されていますね。毛筆は珍しくなっています。
さて、このように香典返しの挨拶状には、いくつかの決まったパターンがありますのでそんなに難しくはありません。決められてフォーマットに、故人との思い出やゆかりの言葉などを加えてもよいと思います。感謝の気持ちと、直接お伺いできないことに対してのお詫びはきちんと入れましょう。
まとめ
そのまま使える!香典返しの挨拶状、見本文例7集
1、まずはじめに・・・故人のお名前
2、仏式の場合
3、仏式。戒名を入れた文例
4、神式の場合
5、キリスト教式の場合
6、天理教式の場合
7、香典返しを行わない場合